「親がため込み症なのかも?」と疑っていませんか? ため込み症は一種の病気であり、長い年月の間放っておくと自宅がゴミ屋敷になってしまう実例もあります。この記事では、ゴミ屋敷の原因ともされているため込み症の治療法やためこみ症のチェック、親や親戚の自宅がゴミ屋敷になっている場合の対処法などを解説します。ためこみ症が及ぼす影響について知ったうえで、当事者にあった治療法を試してみましょう。
目次
ためこみ症の治療法はあるの?
ゴミ屋敷の原因のひとつとされているためこみ症には、治療法として抗うつ剤を使用するケースもありますが、完璧にためこみ症が治るということではありません。本人がきちんと病気に向き合い、徐々に症状を減らしていくことが最大のポイントなのです。意識すれば自然に治癒するということはなく、たとええゴミ屋敷化した自宅を本人の留守中に掃除したとしても、本人にとってはただの迷惑行為であり、病気の症状が改善するわけではありません。それでは、「自宅がゴミ屋敷化しない為に効果的な治療法はないの?」と思っている方に、具体的な治療法について紹介していきます。
ものへの執着心を和らげる練習をする
ゴミ屋敷に住んでいる人は、人よりものへの執着心が強い傾向があります。まずは数時間~1日で構わないので、他の人にものを預けてみましょう。これは「預けたものが数時間なくても支障なく生活できる」ということを実感してもらうことが目的です。ものを預ける人は家族や仲の良い友人でも良いですが、できるだけ一緒に住んでいない人に任せましょう。持ち主に預かっていたものを返す際は、ものがない間に何か心配事が起きたり不安なことがあったりしたかを質問し、実際に感じたことなどについて答えてもらいます。最初は数時間から始め、1日、2日と次第にものを預ける時間を伸ばしていくことが重要です。ゴミ屋敷に住んでいる本人が「ものがなくても平気だな」と感じ、ものに対しての執着心が薄れるようになるまで練習を続けと良いでしょう。ゴミ屋敷に住んでいる人は、他の人から見てあきらかにゴミだと思うような使用済みの箸や空の容器なども捨てられない状況なので、預けるものはペットボトルの蓋など簡単なものから始めてみると良いかもしれませんね。
1点のことに集中できるように練習する
ゴミ屋敷の原因のひとつとされているためこみ症を改善するには、集中力を上げるためにテレビを消したり携帯を見えないところに移動したりし、片付けるものや整理整頓する箇所だけ注意するように練習しましょう。ためこみ症の特徴はテレビや携帯など他のことが気になることで注意力が低下してしまい、集中して片付けや整理整頓ができないことが挙げられます。ゴミ屋敷に住んでいる場合は足の踏み場がないせいで、ものを掃ける十分なスペースがなかったり、ものが多すぎていくら片付けても終わりが見えずに諦めてしまったりする可能性があります。この練習を続けることで、集中して決まった時間内に片付けに取り組むことができるようになるでしょう。最初は5分から始めていき、徐々に時間を長くしていくと掃除をする習慣が身に付きやすいので、ゴミ屋敷に住んでいる人には特に練習が必要ですね。毎日5分だけ片付けや整理整頓の時間を設けることも効果的なので積極的に取り組みましょう。
親や知り合いがためこみ症の場合はどうする?
ゴミ屋敷に住んでいる本人に病気である自覚を持ってもらうため、一度心療内科を受診してみましょう。ゴミ屋敷になってしまうほどのわけではなく人の性格や生活環境からなる精神疾患の一つとされています。「親は面倒くさがり屋だから」「知人は綺麗好きじゃないから」などと状況を軽く見ていると家がゴミ屋敷になってしまう可能性があります。プロの意見を聞くことで具体的な症状や本人にあった治療法などが判明することが期待されるので、少しでもためこみ症が疑われる場合や「親の自宅がすでにゴミ屋敷化している」という時でも心療内科で診断を受けましょう。本人に「自分の自宅がゴミ屋敷になっている原因は、重度のためこみ症だから」と自覚してもらうことで、病気について積極的に話し合いゴミ屋敷状態を改善できるかもしれませんね。
ためこみ症のチェックをしてみる
「親戚がためこみ症かもしれないが確証が持てない」「実家がゴミ屋敷になってきているので心配」という方は、簡易的なチェックをしてみましょう。当てはまる項目が多ければ、心療内科に相談してみることをオススメします。ゴミ屋敷化するほどのためこみ症の判断基準は「ものやゴミを溜めてしまうことでゴミ屋敷になってしまう」「自分が思うように整理整頓ができない」「なかなかものを捨てることができない」の3つがあり、いくつ該当するのかを調べてみましょう。
ものやゴミを溜めてしまうことでゴミ屋敷になってしまう
「玄関に靴が散乱していて出入りに時間がかかる」「ベットの上にものが多すぎて、横になって寝られない」「机の上にゴミが溜まりすぎてご飯を並べられない」という完全なるゴミ屋敷のような環境になっていませんか?ものを増やしすぎた結果、机の上でご飯を食べる、ソファに座ってテレビを見るなど、本来の目的で部屋が使えなくなってきている場合は要注意です。症状が悪化してしまうと取り返しのつかないほどのゴミ屋敷化してしまうので気を付けましょう。
自分が思うように整理整頓ができない
ゴミ屋敷化するほどのためこみ症の特徴としては、「ゴミと生活必需品の区別がつかない」「保管していればいつか使用するかもしれないと思い、ついついものを溜めてしまう」「生活用品や食料などを分けて収納することができない」と感じる時点でためこみ症の可能性が高いでしょう。自宅がゴミ屋敷になってしまう理由は、ゴミと必需品の区別がつかず整理整頓がうまくできない点が挙げられます。軽度の症状の場合でも「このままものを溜めてしまうと、いつかゴミ屋敷になってしまうかも」ということも考えておかなければなりません。ものをためる癖がついてしまい「気づいたら自宅がゴミ屋敷になってしまった」ということにならない為にも、まずは専門家に相談してみることも一つの解決策です。
なかなかものを捨てることができない
ゴミ屋敷化してしまう特徴といえば、「家の中にものが溢れているが断捨離ができない」「家族や恋人に部屋を勝手に掃除されることが嫌で家に上げたくない」という場合もためこみ症の可能性であると言えるでしょう。要るものと要らないものの判断が難しく感じ、ものを捨てる覚悟ができないというケースが多くあり、次第にものが増えていくことでゴミ屋敷化してしまいます。
いかがでしょうか?これらのチェック項目が多く当てはまった方は、お近くの心療内科や専門家に相談してみましょう。あまり当てはまる箇所がなかった場合は、他の事情が絡んでいるか、違う種類の病気になっているのかもしれません。まずは、病気の原因を知ってから本人に合った治療法を試してみることが第一です。早めに診断をしてもらうことで自宅をゴミ屋敷化することを防ぎましょう。あなたの周りのゴミ屋敷はためこみ症が原因なのかもしれません。ゴミ屋敷にしっかり向き合って早めの解決をサポートしてあげることも大切です。
ためこみ症になりやすい人とは?
ゴミ屋敷化するほどのためこみ症になりやすい人は、幼少期にものに執着していたというケースが多い傾向があります。「テストの点数は良くなかったが、紙を使った工作をよく褒められたので、チラシや使用済みの紙などをついつい溜めてしまう」「親や先生に褒められる場面はあまりなかったが、新聞紙を使って汚れた箇所を綺麗にした時にとても褒められ、それからは新聞紙を溜めておくようになった」などの経験があることが挙げられます。
このような経験をした人は「特定のものに関連する思い出やエピソード」が原因でためこみ症になってしまい、しまいには自宅がゴミ屋敷となってしまう人も増加しています。「身内が病気なわけがない」「ものは溜めがちではあるが、ゴミ屋敷になるほどではないので大丈夫なはず」と、周りの人でも自覚がない場合もあるので専門家や医者に診てもらわないで、ためこみ症であると判断することは大変難しいことです。適正な判断を下すには、本人に病気であることを実感してもらうことが肝心であり、これはゴミ屋敷に住んでいる人にも当てはまります。ゴミ屋敷に住んでいる人は、自分がためやすいものが何なのかを知り、そのものに関連する経験やエピソードがなかったかどうか考えてみましょう。そうすることで自宅をゴミ屋敷にしてしまう要因について考えるようになり、積極的に治療に取り組むようになるかもしれません。
親や親族がためこみ症である場合、家族ができる対処とは?
もし親や親族の自宅がゴミ屋敷になってしまった時は、本人とためこみ症について話をしてみましょう。簡単なことのように感じるかもしれませんが、自宅がゴミ屋敷化しているとなると重度のためこみ症なので、こちらの話を素直に受け入れてもらえる可能性は低いです。ゴミ屋敷を改善しようと良かれと思いあれこれ指示したとしても、本人に病気の自覚がなければ何の意味もなく、逆にゴミ屋敷化が進んでしまうかもしれません。まずは「ためこみ症であると起こる問題を知ってもらう」「本人に寄り添ってコミュニケーションを取る」「本人の意思を無視した行動は取らない」という点がポイントとなります。ここから詳しく紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
ためこみ症であると起こる問題を知ってもらう
重度のためこみ症で自宅がゴミ屋敷化してしまうと、どのような問題が出てくるのかを自覚してもらいましょう。ゴミ屋敷に住みながら「災害が起きた場合」「ものに引っかかってケガを負った場合」「周囲からクレームがきた場合」にどのような対処ができるのか考えさせることが目的です。そうすることで、ためこみ症であるが故に起きる問題を認識させ、「ゴミ屋敷状態を続けてしまうと危険かもしれない」と危機感を持たせることができます。
中にはゴミ屋敷に住んでいてあまり深刻に感じないという人もいますが、きつい言葉で正論を言ったり馬鹿にするようなことを言ったりしないように気を付けましょう。仲の良い家族や友人だとしても、誰でも叱責されると萎縮してしまうのは間違いないので、「そうだね、全部大事なものなんだよね?」といった風に本人の言い分を理解しながら、ためこみ症であるとケガをする危険性があることや、ゴミ屋敷に住んでいると周囲の人に迷惑をかけてしまうことがあるといったことを優しく伝えましょう。
本人に寄り添ってコミュニケーションを取る
本人と離れた地域に住んでいるという場合でも、時々でいいので様子を見に出向き、積極的にコミュニケージョンを取るようにしましょう。軽度のためこみ症の人やゴミ屋敷に住んでいる人は孤独に一人暮らしをしているケースが多いので、「この人は私を心配してくれている」と思えるくらいの信頼関係を築くことが大事です。コミュニケーションの回数が増えるにつれ、ためこみ症について考える時間が増えていくので、次第に「そろそろ片付けでもしてみようかな」という思考になっていくかもしれませんね。
良い信頼関係が築けるようになり、一緒に整理整頓ができるようになったとしても、必ず本人に合わせたペースで掃除していくようにしましょう。ゴミ屋敷に住んでいる人は特に掃除や整理整頓をすることは容易ではないので、掃除をしてくれたことに対して感謝することも大切です。「掃除をすることで誰かに感謝される」「自分は問題と向き合えている」という実感を持ってもらい、ためこみ症の症状を軽減できる効果もあります。
本人の意思を無視した行動は取らない
家族や友人だとしても、留守中に勝手に業者を手配されゴミ屋敷化した自宅を一斉掃除されると「許可なしで大切なものを捨てられた」と感じ、より一層心を閉ざしてしまうので、本人の意思を無視した行動は取らないようにしましょう。ゴミ屋敷は周囲の人から見てゴミだと思うものが溢れているように思いますが、本人にとってはすべて大切な宝物が詰まった場所になります。親切心からだとしても、勝手にゴミ屋敷をどうにかしようとせず、本人の許可が出るまで待つようにしましょう。本人が納得しているのとしていないだけで大きな違いがあり、ゴミ屋敷から脱した後も「この生活をキープしよう」と進んで片付けや整理整頓に取り組むようになるのか、また数年後にはゴミ屋敷の状態に戻ってしまうパターンに分かれます。自宅をゴミ屋敷化してしまうまで症状が悪化してしまわないように、病気が疑われる本人に寄り添った行動を取るようにしましょう。
家族だけでは対処しきれない場合は専門の清掃業者に相談を
ゴミ屋敷になるほどのケースは断捨離するのに時間がかかり、さらに家族だけで掃除すると時間と手間が大幅にかかってしまいます。ゴミ屋敷を掃除したいが家族だけでは対処ができないという状況であれば、思い切って専門の掃除業者に相談してみましょう。「どうにかしてゴミ屋敷での暮らしをやめさせないといけない」と勝手に判断をするのではなく、本人の意思を尊重して処置することが重要です。例え本人にゴミ屋敷をどうにかしたい気持ちがなくても、病気である自覚とゴミ屋敷に住むリスクについてコミュニケーションを取り続けましょう。
ためこみ症は一人で解決しようとせず、周りに頼ることも大事
親や親戚の住まいがゴミ屋敷化してしまっている場合は、すぐに周囲に相談するか心療内科へ相談しましょう。自宅をゴミ屋敷化してしまう原因であるためこみ症は心の病なので、本人や家族だけでどうにかしようとせず周囲や専門家を頼りながら確実に治すべきです。ゴミ屋敷を放置してしまうほどのためこみ症のリスクも知ってもらうことも大切なので、積極的に本人とコミュニケーションを取るなどして自宅がゴミ屋敷にならないように気を配りましょう。
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